加工性
スチールは加工性がよく、曲げても、絞っても、溶接してもいいので、丸、三角、四角と自由な形の缶を製造できます。このように、スチール缶の仕上がり、概観の美しさは、紙、プラスチック、その他の素材では不可能な形と豊なデザイン表現を可能にします。表面のデザインは、オフセット印刷によって、精密なデザインを細部まで表現することもでき、さらに、金属光沢の美しい表面肌を生かしたメタリックなデザインも可能です。つまり、どんな美しいデザインでも可能、というファッション性は、商品イ
メージの向上に大きな力を発揮しています。
スチール缶には、3ピース缶と2ピース缶があります。3ピース缶は、蓋、胴、底の3つの部分からなる強度が優れたスチール缶で、主として溶接缶と接着缶があります。用途は、各種の食缶(缶詰)のほか、飲料ではコーヒー、ウーロン茶、ジュースなど、主に非炭酸系飲料に使われています。菓子、のりなどの一般缶も主にこの構造で、大型缶では18リットル缶、ペール缶などが代表的です。2ピース缶は、蓋と胴の2部分からなる軽量のスチール缶です。円形に打抜いたスチールをカップ上に成形し、しごき加工によって側壁を薄く引き伸ばし、缶にしています。このスピードは一分間に約1,500個という猛烈な速さです。用途は、飲料が主で、ビール、コーラ、炭酸飲料などに使われています。なお、食缶では打ち抜き缶の2ピース缶があり、イワシ、
サンマなどの缶詰に使われています。
社)鋼材倶楽部より