製法
1.原理
二重巻締とは、その外周を所定の形態に屈曲させた缶蓋のカールを缶胴の端に形成されたフランジの外方から抱き合わせるように巻き込んで、さらに同部を外方から圧着して缶胴と缶蓋を接合し、缶蓋のカール部内側に塗布されているゴム様材質(シーリング・コンパウンド)からなるパッキングの介在によって缶容器に密封性を保たせる方法です。
つまり、巻締は二段階の操作によって行われるもので、第1工程では第1巻締ロールによって缶蓋カール、缶胴のフランジをはめ合わせて巻き込み、第2工程として第2巻締ロールにより同部を圧着して、シーリング・コンパウンドを巻締内部の空隙に満たして気密を保持させるものです。
密封する際に特に重要な部分は、上図のA部(フランジ先端部)とB部(ボデーフックの両側)で各々シーリング・コンバウンドが圧着されて、密封されるのです。
この巻締形状はタイトシーム(かた締め)と呼ばれ、一般的なものです。
この他に、ピンチシームと呼ばれる巻締形状もあります。
2.巻締め工程
下図は、上記の巻締工程における変化の状態を示すものです。1は缶胴に缶蓋をかぶせたところ、縦方向の弧状の部分が缶胴のフランジです。
上段の図が、普通巻締部、下段の図が、スリーピース(3ピース)缶の缶胴接合部における巻締部の断面です。第1巻締工程は2の段階を経て、3の段階で完了します。つづいて4から5までは第2巻締工程であって5において二重巻締は完成となるのです。
缶詰用金属缶と二重巻締(改訂版)参照